〜あれから、いくつもの思いを重ねて。心より平穏を、小さな灯りを灯せますよう〜

短歌や詩、日々の可笑しみ

モノクローム文芸館

あれは二年くらい前かしら、三年前かしら、

あたしはもう芸術家にはなりませんよ。みたいなことを言っていた気がするのですが、


ちょうど一年前ですかね。


ビエンナーレうしくの公募に出品するにあたり、

そのときの絵画を描きながら、本当に自分はこのままでいいのかな、って何度も何度も考えて、


普通に将来、結婚して幸せに暮らすっていう未来よりも、

芸術家として、自分の命を削り賭けて生きる未来を選びたい。そう思いました。


そして、現実には離れていく人があり、それはそれは離れていく人がおりまして、

同時に近づいてゆける人たちがいて、


そしてまた、今もまた同じように、

自分の言動ひとつ、そのひとつで離れていく人がいることは、

もちろん、そんな鈍感じゃありませんから、肌身に感じながら、


それでも我が身を省みて将来を模索し選んで生きる人生に、

ときに誰かが離れてしまったとしても、それが例えば大切な人であったとしても、


行く雲は流れていくものとして、


人間に生まれながらにして、例えばなにがしかの星に生まれて来た人間がいるとするならば、


それが例えば自分のあたしの人生において、

目先の幸せや、暮らしの安定や、幸せな家庭よりも、


小さな音を浮かべて、色彩を並べて、言葉を紡ぐことに、

あたしの命の役割があるのではあるまいか、そういうことも考えるわけなのであります。


将来の未来に大きな花を咲かせることが、それでも出来なかったとしても、

それでも、自分の作る音楽が、他の誰かでも作れる音楽だとは思っていないですし、


今の自分の絵画技法を代わりに描ける人はいないと思い、

そして、今、書いている小説も、自分が書かなければ一生、書かれることのない物語だと思っていますから、


そういう意味において、


あらゆる人間に、その果たすべき役割というものがあるとするならば、

その役割をしっかり果たすことを、自分の人生に、生きることと仮定していたいと思うのです。


いろんな批判や反対意見があることは存じておりますが、

あたしの人生はあたしが三十年間連れ添った人生でありますから、


そうして感じたひとつひとつの悪意や憎悪、嫉妬やひがみ、妬みや性愛、グロテスクな欲望と言葉、


そんなそのひとつひとつがそれでも光に変わるもの。


それを、あたしは芸術だと思って居ります。
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テーマ : 物書きのひとりごと    ジャンル : 小説・文学
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