〜揺られ揺られる、日々の思いを、君へ、あなたへ〜
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誠実な男。(改題) 

2007, 06. 22 (Fri) 22:18

ギタンギタン。シュー。ギタン。ゴトスカ。ヒュー。

町外れの薄焼けた踏切を三両の列車が通り過ぎた。踏切が渇いた音を立てて持ち上がると、小松良平はいかにもダルそうに歩き出した。営業マン風の男が、足早に過ぎ去った。お洒落なウーマンが速やかに行き過ぎた。

良平は、手紙をしたためていた。誠実な恋文を郵便局に持っていく所だった。
ポストではなく。郵便局へ。誠実に。

だが、お洒落なウーマンはあまりにお洒落だった。良平は、あまりに誠実だった。
そして、見とれていたせいか手紙を踏切に落としてしまった。うっかりしていた。うっとりしていた。ミニチュアダックスフンドを散歩中の老紳士が心なしか微笑んで横切っていった。ハンチング帽が推理小説みたいで、良平は心昂ってきた。

気が付くと、お洒落なウーマンを振り返っていた。アンニュイなゆるいウェーブパーマが渇いた日射しに踊っているようだった。それを見たとたん誠実じゃなくなってしまった手紙は、そのまま踏切に預ける事にした。受け取りにくるのが、誠実さってもんだろう。そう誓いながら。

そんなウーマンの後ろ姿に、二秒半見とれた後。三メートル後ろを忍び足。素敵な人には、誠実な男がよく似合う。誠実に距離を保ちながら、誠実に襟を正し、歩を進めていった。

フレアスカートは、ライトグリーンの初恋の色。まるで出会いは図書館の中。偶然、触れた右手と左手。お洒落なウーマンには、洋書がよく似合う。英語が話せない事は、最初に誠実に断っておこう。良平は、引け目を感じないように、日射しに瞳を細めた。

良平は、運命を信じなかった。占いとかは、、好きだった。今日の運勢は、星三つ。いいか悪いかは、心がけ次第。誠実一路。こんな出会いは、日々の行いの良さが導いたものだろう。誠実に、また後ろからついていく事にした。

ところがどっこい。お洒落なウーマンは、こんなにお洒落なのにもかかわらず寄り道もせず、アパートまで来てしまった。鍵を開けていたから、自宅だろう。推測予測。憶測蛇足。ここは誠実に、ドアをノックして全てを打ち明けるか。いや、むしろ誠実にドアの前で再びの外出を待つか。うむ、やはり打ち明ける方が誠実だろう。

良平は、誠実にチャイムを鳴らした。ピーンポーンパーン。誠実な音色が響き渡った。我ながらなかなか誠実だな。

「はーい。」

お洒落な声だなぁ。さすがお洒落なウーマンだ。
ゆっくりドアが開かれた。。。





エンジのジャージでお出迎え。お、洒落な、、





良平は、思った。誠実に。





なんてお洒落なウーマンなんだ、、やっぱりお洒落だ、、


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4 Comments

カズ  

嗚呼

懐かしきお洒落なウーマンw

2007/06/23 (Sat) 09:37 | REPLY |   

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懐かしき お洒落なウーマン 思い出し 描いてみたのは 悲しきhonesty



2007/06/24 (Sun) 23:24 | REPLY |   

カズ  

古き日の 思ひ出胸に 歩むのは 新しき日の 思いへの道

2007/06/24 (Sun) 23:51 | REPLY |   

モノクロ  

明日やろうはバカやろう。

今日から。今から。。

2007/06/26 (Tue) 02:13 | REPLY |   

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